前回、ここアメリカで働くには、グリーンカード労働ビザを取得しなければいけないというお話をしました。

グリーンカードは基本、抽選や結婚を除いては、プロセスに時間が掛かる為、必然的に難易度は高くなります。
ですので、最初は労働ビザを取得するのが一般的です。
そして、その労働ビザを取得するには、そのビザ申請をサポートしてくれる雇用主を探さないといけません。
つまり就職先という事ですね。

ですが、現時点であなたによほどの特殊なスキルがない限り、そしてたとえそれを兼ね備えていたとしても、ある程度の英語力がない限り、こちらのアメリカ企業が日本人を雇う事はまずないでしょう。

ですが、前回もお話ししました通り、こちらの日系企業ならばチャンスはあります。

ここでは私が労働ビザを取得するまで辿って来たプロセスを例に、簡単にお話しさせて頂きます。

私はまず語学留学という形で、F-1ビザを取得し、こちらの語学学校に入学しました。
F-1ビザというのは、もちろんアメリカでの労働は許可されていません。例外はありますが、基本的には無理です。
アメリカでもっと長く生活したい、ちゃんと合法的に働きたいと思った私は、労働ビザを取得する必要性を知り、その方法を探りました。
もちろんスポンサー企業を探さなければいけないわけですが、特に特別なスキルや学歴のない私が、いきなりこちらの日系企業に履歴書を持ち込んだところで、相手になんてしてくれる訳がありません。
試用期間として、インターンでも働ければいいのですが、それもF-1ビザでは出来ません。

そんな中で、いろいろと調べていく中で、OPT(Optional Practical Training)と言うものの存在を知りました。

OPT(Optional Practical Training)とは、カレッジや専門学校で勉強したことを活かして、アメリカの会社で合法的に仕事をすることです。

アメリカ政府の移民局(USCIS)によって認められているので、F-1ビザを持っている学生はOPTによって、アメリカで働きながら学んだことを活かすことができます。
学校で、最低9か月の学習をした後、OPTとして働くことができます。期間は通常12か月。つまり1年という事ですね。
OPTのために就職の内定は必要はありませんが、専攻に直接関係した仕事でなければなりません。

つまり要約していえば、1年間有効な労働ビザのようなものです。

このOPTを取得し、就職活動をして、いずれかの企業で働き、OPT終了までに双方の思惑が一致すれば、つまり働きぶりを認めてもらえ、スポンサーになってもらう事が出来れば、OPT終了後(もしくはOPT中)に正式な労働ビザを申請出来るという事です。

このOPTを取得するには、まずはこのOPTを発行してくれる学校へ入学しなければなりません。
つまりは、カレッジか専門学校という事になります。

語学学校では発行してくれません。

ですので、私は現地のコミュニティー・カレッジに通う事にしました。

OPT取得が主な目的であった私は、専門学校や、大学院などでも良かったのですが、OPT取得後に正規の労働ビザを申請する際、ビザは自分が専攻した科目と関係していなければならず、専門学校では就職の範囲が狭められてしまいます。
大学院となると、学費が半端ではありません。ビンボー学生だった私にはとても捻出できる額ではありません。

その点コミュニティー・カレッジとなれば、学費も比較的安いうえ、尚且つ豊富な専攻過程があるので、将来自分が就きたいと考えている仕事がある場合には、こちらでそれに合った専攻を選ぶことが可能となります。

ちなみにこのコミュニティーカレッジとは、日本でいうところの短大のようなところです。

ただ名前のコミュニティーと言う言葉にもある通り、地域に密着した、そのコミュニテイーのためのもので、そこには一般教養から、例えば音楽クラスであったり、絵画クラスなど、自分の好きな科目を1教科だけとってみたりと、文化教室や、職業訓練を兼ねたカリキュラムも多く存在します。
そしてなんと言っても一番の魅力は、学費が安いという事です。
通常の4年制大学より、相当お安くなっております。
ですので、こちらのあまりお金に余裕のない学生たちは、ここで最初の2年間を費やし、その後4年制大学へ編入するという方が結構おられます。

私の場合は、アメリカで合法的に働く、というのが目標でしたので、仕事は働けるのであれば何でもいいと考えていました。
他に興味のある事や、やりたい事もありましたが、年齢的にも、また語学の面でも、選んでいられる立場にはないと感じておりましたので、将来の事を考えた際、一番融通も利くであろうと、ビジネスコースを選択しました。
これであれば、どんな業態、職種であっても、企業である限りはビジネスをしているわけですから、将来的に労働ビザを取得し易いのではないかと考えたわけです。

以上の理由から、現地コミュニティー・カレッジに約1年通った後、無事OPTを取得したというわけです。

その後、スポンサー企業を見つけ、そこから労働ビザを申請、取得し、後のグリーンカード取得へと繋って行きました。

労働ビザ申請の際には、労働ビザと言っても様々なカテゴリーがある為、申請者自身の経歴や、スポンサー企業の規模や事業内容など、審査には様々な要素によって左右され、取得には100%確実と言うものはありませんが、このようなやり方、つまり、、、

語学学校⇒コミュニティカレッジ(OPT取得)⇒労働ビザ申請    そして将来的に⇒⇒⇒グリーンカード(永住権)申請 

と言うルートもあり得ます。って事をお伝えしときます。

将来アメリカで働きたいとお考えの方はご参考にして下さい。