前回、インド人家庭にホームステイした事についてお話ししました。
そして色々と理不尽な目に遭い、なにかとストレスの溜まる日々でしたと。
ですが、これってなにも私に限ったことではなんです。
ここアメリカでは結構普通に起こりうる事なんです。
当時私が通っていた学校には、私の他にも沢山の日本人学生がいました。そしてその内の半数位はホームステイをしていました。
その学生たちと情報交換している際、私はまだマシな方だったのかもと思う事となりました。
ある学生は、食事さえもロクに作ってもらえず、毎日宅配のピザやフライドチキンばかりであったとか。(アメリカの食事で、ピザ、フライドチキン、ハンバーガーは三種の神器です、、、笑)
たまに自分で食事を作ろうにも、食器棚にロックが掛かってあり、自由に使えないとか。(涙)
私のように、「シャワーは1分で済ませろ」「ランドリーは週一回だけ使っていい」「部屋の電気は夜以外使うな」ですとか、挙句の果てには、君とは合わないから「明日出て行ってくれ」と、一方的に追い出された学生も何人かいました。
なんかすごいですよね? (怖)
でも、ある意味仕方ないといえば仕方がないのかなという部分もあります。
まず、このホーム・ステイの仕組みなんですが、基本的、ホーム・ステイを希望する学生と、それを受け入れるホストの間には、それらを管理するエージェンシー(代理店)が存在します。
ホーム・ステイを希望する学生は、そのエージェンシーにお金を払い、受け入れてくれるホストを探してもらいます。その際そこである程度の希望を伝えることができますが、例えば、学校に近いエリアだとか、ホストが禁煙者であるとか、ペットがいないとかです。ただ基本はあまりその通りには行きません。
そしてホストの側は、自分の受け入れられる環境をエージェンシーに伝えます。これだけ部屋が空いているだとか、自分自身が女性だから受け入れられるのは女性だけとかいった類です。
そして、これらの要望をエージェンシーが聞き入れたうえで、お互いの希望に合う、ホスト、学生をマッチングさせるといった流れになります。
ですが先ほども申しましたように、ほとんどお互いの希望通りにはいきません。
基本的には、今空いている家庭に、適当に学生を順番に送り込むみたいな、機械的な作業になります。
そしてここがポイントですが、ホーム・ステイを希望する学生からしてみれば、ホーム・ステイというのは、アメリカ文化を肌で体験できる、活きた英語を学べる、といったようなことを期待すると思いますが、ホストの側からしてみれば、ちょっと違います。
基本的に彼らはビジネスとしてホストをしているといった感じです。
つまりは、家(もしくはアパートに)使っていない空いている部屋があるから、それを貸し出して副収入を得たい。といった感覚です。
ちなみみにここアメリカでは、日本のように1人で部屋を借りようとなると金銭的にハードルが高くなります。
ですので、ルームメイト・ルームシェアというのが主流です。
ホーム・ステイを受け入れるホストの方も、この延長で、空いている使っていない部屋があるから、それを貸し出す。と言った感じです。
ですので、ここには必ずホーム・ステイを希望する留学生とのギャップが生じます。
アメリカ人家庭に入りたいと思っていても、実際行ってみたら、ホストは独身の中年男性で、料理も出来ず、ただ住んでいるアパートの1部屋を貸し出しているだけとか。
そしてそもそも、自分自身がパートタイムの仕事しかなく、金銭的に苦しいから、ホントにただただ副収入源としてやっているだけだとか。そんなの普通にあります。
ですけど、考えてみれば納得ですよね?
ただでさえ、ルームシェアというのは、どこの馬の骨かわからない者を受け入れ、一つ屋根の上で生活するわけですから、受け入れる側もある程度リスクはありますよね?
しかもそれが留学生となれば、言葉や文化も違うわけですから、一筋縄ではいきません。
ですので、ホーム・ステイを受け入れるホストというのは、基本的に、少し金銭的に苦しい方、低所得者、あまりいい仕事に就けない移民の方、もしくは無職、といった方々が多いように思います。
ですので、普通に英語もままならない留学生と、違う人種同士が、一つ屋根の下で暮らすわけですから、ここで何も起こらない方が不思議かも知れません。
これからホームステイを考えていらっしゃる方は、こういった背景も理解しておく必要があると考えます。