前回、前々回と、ホームステイの実態、いわゆるホームステイの負の部分みたいなものをご紹介しましたが、今回はそれとは違い、これぞホームステイというような良い例をお話ししたいと思います。
最初、インド人の家庭で辛い目に遭い、その後の行き先に途方に暮れていたところ、当時私が通っていた語学学校の先生でとても親切に接してくれていた方が、良かったらうちに来るかと声を掛けて下さいました。
というのも、この先生のご家庭では、結構前からホームステイの生徒さんたちをよく受け入れているらしく、すでに何人か留学生が暮らしているようで、ちょうど一部屋空いた為に、誰かを探していたようです。
もちろん行く先がなかった私には願ってもいないオファーで、即答で決めました。
このご家庭のある場所は、サンタモニカの住宅地に位置し、そこにある一軒家に、家族4人に、ホームステイの学生2人二、犬2匹と言った構成でした。
一軒家ではあるものの、そこには離れの小さな家が一つあり、そこに一人学生が住んでいました。
この先生と奥さん、娘さん、息子さんに、フランス人の学生、日本人の女学生、そこに私が加わったという事です。
この先生の奥さんは日本人の方で、もちろん英語も日本語も普通に話せるバイリンガルで、もうすでにアメリカ生活は何十年という頼りになる方です。
しかもとても料理が上手い。
毎日夕食時には、普通に手作りの、しかも日本食もちょくちょく出てきました。
娘さんはちょうど大学に進学したところで、基本的にはもう家を出て、大学の寮で生活しておられた為、普段はこの家では生活しておられませんでした、
息子さんの方は当時高校生で、17才の好青年でした。
一緒に住んでいる学生達は、一人は日本人の地元のカレッジに通う女の子で、もう一人は先程も言いましたが、留学生のフランス人です。
このご家庭の皆さんはとても気さくで、毎晩夕食を共にし、たまの休日には一緒に買い物へ出かけたり、家でバーベキューをしたりしました。
一番の思い出は、感謝祭やクリスマスですね。
こちらでは日本と違い、これらの祝日は家族と過ごすのが定番です。
この日はこのご家庭だけでなく、親族一同が集まり、総勢約20名ぐらいでしょうか? 一同が一つのテーブルを囲み、この日の為に作られた手料理を食べると言った感じです。食事の前には皆が手を一つに繋ぎ、お祈りをしてから食事につくといった流れです。
こんなのって日本では絶対ないですよね?
もちろんいい事ばかりではありませんよ、言っても共同生活ですし、いくら奥さんが日本人だからと言っても、基本は英語で話すように決められていましたし、毎回夕食時に決まってみんなの前で英語で会話をするのは、とても苦痛でもありました。(汗)
高校生の息子さんからはよく英語力をイジられていました。(笑)
ですが、やはりこれぞホームステイですよね。
このご家庭には約半年ほどお世話になりましたが、その後もクリスマスや何かあるごとに招待して頂けますし、このとき一緒に暮らしていたフラン人留学生とも良く遊びに行ったりもしています。
こういう経験こそが 留学・遊学、つまりはアメリカ生活・異文化体験 だと思います。
こちらで出会った日本人の中には、ホームステイをするのは、気を使うから嫌だとか、変な家庭に入って辛い思いをするのは嫌だから、といって、同じ日本人同士でルームシェアをし、常に日本人とだけ行動を共にするといった方たちもいました。
決してそれが悪いとは言いません。
ですが、やはりせっかくアメリカ・海外に来ているわけですから、そこの世界にドップリ浸からないのは、とても損をしているように思います。
基本的、留学生活なんて、この人生で1度きりの経験だと思います。
ですので、出来れば思い切り悔いのないよう楽しみたいものです。
例え辛い事でも、日本では出来ない面白い経験をした、社会勉強だ。くらいに笑い飛ばしたいものです、、、